2011年1月18日火曜日

ヘルメットとネパールの微妙な関係

良くある風景


マオイストがジャングルで活動していた頃は(1996~2006年)、政情が不安定で法律がしょっちゅう変わったそうです。

例えばバイクのヘルメットのかぶりかた。

 現在ネパールではバイクに乗る際、運転手はヘルメットをかぶる義務はあるが、後ろの人はかぶらなくて良いそうです。しかし、以前は後ろの人もかぶる義務があったらしい。その辺を地元の人に突き詰めて質問していくと。

「いつから、どうしてかぶるようになったり、ならなかったりしたか良く覚えていない、あの頃はしょっちゅう法律が変わったからね….」

という答えが返ってくるのが一般的である。

後ろの人がかぶらなくなった理由は色々な説があり、どれが正しいかよくわからないが、少なくともネパールらしさがあって興味深いと思う。


その理由は.....








朝の出勤風景

後ろの人がヘルメットをかぶらなくなった4つの理由。
(あくまでも”説”ですよ、あしからず)

1 犯罪防止: 当時、二人乗りバイクによる犯罪(ひったくり、暴力行為)が横行したために、顔が見えるようにヘルメットの着用を禁止した。
2 国際関係: 隣国インドを困らせるのにインドからのヘルメットの輸入を制限するためにヘルメットの着用を禁止した。
3 友情:  道ばたで友達に会った時に、ヘルメットのスペアを持っていなかったら後ろにその友達を乗せてあげられない、と言う苦情があったから。
4 金欠:  もう一つヘルメットを買うのはお金がかかる、と言う苦情があったから。



1にあるように当時は内戦状態で、かなり荒れていたらしく、一般市民を保護するのに必要な事だったのだと思う。 2はインドを意識したネパールがやりそうなこと。 3、4はちょっと個人的すぎる理由に感じるが、ネパールであればこのような主張が通りそうな気がする。

ネパールでは今でも後ろの人はヘルメットをかぶらなくても良いそうです。

ヒンズー教の人は、父親が亡くなったら息子たちは白い服を着て13日から1年喪に服するのですが、帽子ももちろん白でなければなりません。それで白いヘルメットが無い人は当然ノーヘルでバイクに乗ります。警察に捕まる事もありません。
でもバイクで事故して息子も死んだら残念だと思います。


ちなみにターバンをまいたシーク教徒もヘルメットをかぶらないでバイクに乗っています。 安全よりも信条が優先されるのですね。