私の好きな場所にドォビチョールと呼ばれる場所がある。洗濯屋が集まって出来ているちょっとした一角なのですが、風にゆっくりなびくシーツやタオルの合間をぬいながら歩くのが何気におもしろく、遠回りになってもわざわざ通ってしまう事がある。
ドォビ（洗濯人の意味）は元々ネワール人のカーストの一つのようだが今はネワール人に限らずその職種についている。
彼らのチームワークにはいつも感心させられる。洗い場はちょっとした車庫のような場所だったり、玄関横の狭い石畳の上だったりするのですが、大量の洗濯物をせっせと手際よくこなして行くのだ。洗われた洗濯物は外のロープや屋上に次々とかけられていく。
ちょっと見ていると突然、司令塔らしき真っ黒に日焼けした青年が飛び出して来て何やら叫んでいる。広場一杯に揺られていたシーツがあっと言う間に回収され、しばらくして雨が降ってきた… カトマンズは山の天気に似て変わりやすく予測が難しいのですが、彼らには天気を読む特別の能力があるのだと思う。 ドォビチョールの近くに住む友人はドォビ洗濯人達の動きにあわせて自分の洗濯物を取り込んでいるそうだ。
ドォビ達は洗濯バサミを一切使わないで何百ものシーツやタオルをロープに付けて行く、でも強い風に吹かれて洗濯物が飛んで行く事は無いのです。その秘密は是非ネパールにお越しの際ご自分の目で確かめてほしい。ロープにちょっとした工夫があるんですよ。
ドォビチョールはタメルからチェットラパティに抜けスウェンブ方面にちょっと歩くと見つかります。
皆さんがタメルのゲストハウスに泊まられる時、シーツに草の匂いがするかもしれません。たぶんそれは勘違いではないと思いますよ。洗濯人達は草の上にも洗濯物を広げて乾かすんです。 もちろん時々野良犬がやって来て…….と言う事もあります。ふふふ（苦笑）
