2010年11月25日木曜日

距離を感じる”ありがとう” ?

仲良しでも”ありがとう”は言いません



”ありがとう”って言ったら、友達失ったという経験ありますか?

”ありがとう”は友好関係を築く言葉の万国共通代表選手的な存在だと思います。

でも、ネパールで”ありがとう”はその反対に作用する事があるようです。


ある一人のネパール人が他のネパール人の友人にちょっとした贈り物をしたとすると、どんな反応があると思いますか? ”ありがとう”とは十中八九言わないのです。

それじゃあその友人はなんと言いますか? おそらく、その友人は
”なんでこんな物もって来たの?”  ”こんな事しなくてもいいのに!”
などとそっけなく言うでしょう。 

どちらにしても”ありがとう”とは言わないのだ。勿論”こんな事しなくてもいいのに!”という言葉の背後には”ありがとう”と言う気持ちがありますが、”ありがとう” と言う言葉そのものはネパール人の感謝の気持ちや嬉しい気持ちを表すのに適切ではないようです。

まして、家族の間や友人の間では”ありがとう”(ダァンニャバード)は使わないのは当然で、むしろ禁句的な存在だ。 


なぜ?
この言葉はかなりあらたまった言葉で非日常的な言葉なのです。だからこの言葉は話し相手との距離を広げてしまうので、近い存在であれば有るほど、この言葉が会話に登場しない事になる。下手に使うものなら「”ありがとう”なんて、俺たちの間柄でなに気取っているんだ!」と友情関係に亀裂が生じかねないのだ。

日本語の”ありがとう”や英語の”サンキュー”に相当するネパール語は何?と聞くとたいてい、『”ダァンニャバード”だよ!』と即答される。でも、実際にはあまり使わないそうですよ。

ネパール人の友人に贈り物をした時”ありがとう”という言葉が無くても、気を悪くしないようしましょう。”ありがとう”が無いのは友人として受け止めてくれてる証拠でもあるんですよ。